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ちどりあし

思いつきをつづります。

信頼と進化ゲーム

以前の記事で信頼について調べると書きましたが、今回読んでみたのはこの本です。

20年ほど前の本ですが、非常に面白かったです。

信頼の構造: こころと社会の進化ゲーム

信頼の構造: こころと社会の進化ゲーム

自信ないので間違ってたらすいません(笑)

この本のメインの主張に、「(昔の村社会に代表されるような)集団主義は安心を生み出すが、信頼を破壊する」というものがあります。

一見この命題は逆説的にも見えるます。これは著者が社会的不確実性という「環境」に注目しており、これによって安心と信頼を定義していることによります。

主観的な信頼というものを、直感的に自然な形で定義します。これによって信頼がどのような環境で生まれるかを実験によって調べ、上の命題を主張しています。

この本で特徴的なのは、信頼を進化ゲーム理論の考え方を用いて「信頼」をうまく抽象化して特定の条件下で定量化しています。これによって統計的に優位に相関関係のある因子をうまく調べることを試みています。

進化ゲームというのはあまり聞きなれない言葉かもしれません。実際にこの本では、囚人のジレンマに代表される協力ゲームを繰り返しやっていったときに、被験者の選択がどのような状態に落ち着いていくかということを調べています。

以下囚人のジレンマwikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9A%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E

著者が理学出身の社会心理学者なこともあってか、多くの実験に共通してその実験による目的・考察・実験の限界をはっきりと示しています。複雑な議論を扱っていますが、話の筋道をきれいに示しているため迷うことなく読めました。

部分的にでも信頼という感情を数字の上で解釈することをしてみたい方、ゲームと社会学的な関係を調べて見たい方は是非。